トレードを志すものが読まなくてはいけない本

この本の目次を読み返す度に、現在の取引を再考させられます。
目次がそのまま格言として生きています。


・「生き残りのディーリング」決定版
 ー投資で生活したい人への100のアドバイスー

はじめに(原文のまま)

資産運用やトレーディングという言葉が身近なものになってきました。言葉だけではなく、実際に自分でもできないものかと考えている方も増えているでしょう。アメリカでは一部で教育にも取り入られ、小学生ですら経済のファンダメンタルズと株価との関係を、模擬の売買を通じて学んでいると聞いています。また、もっぱら株式の売買で生計をたてる個人のデイトレーダーも増えてきているようです。

 わが国でも個人の外貨預金は着実に増加していますし、年金の確定拠出型などは、限定的とはいえ、自己の年金資産を自分で運用する道を拓くものです。

 しかし、資産運用の経験がないどころか、為替市場、株式市場、債券市場といった運用を行う現場である「相場」というものの実体を知らない人々にとっては、期待よりも不安の方が大きいのではないでしょうか。はた目に見ているだけでも、「円も株価も先日まで買われていたかと思ったら、もう売られている」というようにみえ、とてもめまぐるしくて理解しづらいことでしょう。

 では、自分の将来の年金資産の運用などはアマチュアが手を出さないで、資産運用のプロに任せていれば、それで安心できるのでしょうか?
 資産運用のプロとは、投資信託会社、投資顧問、ヘッジファンド、保険会社、銀行、そのほかの金融機関、証券会社などです。彼らは他人の資産を運用していますから、確かにプロには違いありません。しかし、本当に私たちの大事な預貯金や年金を預けていても大丈夫な人たちなのでしょうか? 過去何年間かの間に、いったいいくつのこういったプロの会社が破綻したことでしょう。

 私たちは自分の人生の当事者です。私たちの預貯金や保険はまさかの時の備えに必要なものですし、積み立てている年金は老後の私たちの生計をたてるのに必要です。ほかのだれのものでもありません。

 何をしていてもリスクはあるのです。資産運用のリスクが怖いからと、当事者であるリスクを避けることは、傍観者であるリスクを受け入れることです。同じ自動車に乗っていながら、運転席よりも助手席の方が安全と思うようなものです。
しかも資産運用の世界では、事故歴がたくさんあるドライバーでも、有名ならば他人の車をまだ運転していますし、当のドライバー自身がその車に乗っていないことも多いのです。
 自分のリスクは自分で取りましょう。リスクとは避けるものではなく、うまく管理するものなのです。


 本書は読者に、自分の車(資産)は自分で運転(運用)することを勧めるものです。そのために、相場とは何か、価格変動の本質とは何か、リスクとは何か、などを詳しく説明し、ならばどのように対処すればよいかを述べています。

 目次に目を通してみてください。第1章では金融の商品を問わず、「市場価格はなぜ動くのか」を説明しています。第2章では個人投資家やプロが、自分が扱っている「資金の性質とリスク」を理解することの重要さを述べています。第3章、第4章は「相場の張り方」を、実戦的に述べています。また第5章は「業者の側から見た相場」を述べていますから、個人投資家が相場の裏側を知る、よい機会かもしれません。

 このように本書は、何に着目し、どのように相場観を組み立てるかだけにとどまらず、ポジションを取ったあとで(売り買いを始めたあとで)、どのように対処すればよいのかを述べた本です。
 したがって、これから相場を始めるという人たちだけではなく、むしろプロのファンドマネージャーやディーラーも含めた、すでに相場にかかわっている方々に、より役立つことでしょう。

 ところで読者のなかには、本書のタイトルにある「生き残りのディーリング」の名前を、すでに目にした方もいるでしょう。この拙著は、出版から十年以上経ったいまも、現役ディーラーの方々の座右の書として、多くのディーリングルームに置かれていると聞いています。また、続編を望む声も著者の耳には入ってきています。

 本書の前身にあたる『生き残りのディーリング』は、相場のプロの方のみを対象に書きました。一般の方にとって、相場がいまほど身近ではなかったからです。いまは多くの人が相場を語る時代になりました。それどころかもはや相場は、だれにとっても避けては通れないものになってきています。

 したがって本書では、一般の方にも読んでいただけるように、なじみのないチャートなどを省き、脚注を多く入れました。脚注によって相場の専門用語も、その場で解決できます。専門用語を一般用語に書き換えることをあえてしなかったのは、いつかは覚えねばならないことだからです。リズムよく一回読み終えてから、脚注を含め、じっくり読み直すということもよいでしょう。

 また、一般向きにしたとはいえ、内容は前著よりもはるかに充実させました。相場はゴルフなどと違い、アマチュアだからといって、いささかのハンディももらえないからです。むしろプロのほうが有利な条件で戦えるのが相場です。

 私は相場を書物ではなく、実戦のなかで学びました。東京、ニューヨーク、ロンドンといった主要市場にて、債券や為替の運用、および機関投資家相手のセールス(為替、債券、株式)を二十年ほどやってきました。現場たたき上げだといえます。市場に育てられた私が、自分が得てきた経験や知識をより多くの人たちに伝えることは、市場に対する恩返しではないかと思っています。

 本書の出版にあたっては、パンローリングの後藤康徳氏、マイルストーンズの細田聖一氏、両氏の多大なるご協力を得ました。ここに感謝の意を表します。
 本書が、読者の資産リスク管理の、何らかのお役に立てることと信じています。

 2001年1月1日
              矢口 新




目次

はじめに

第一章、価格変動の本質

01. 世の不条理が狙い目
02. 小さな資金でも相場は動く
03. 初めに言葉ありき ーシナリオを立てるー
04. 見ているものが違う
05. チャートの秘密
06. ポジションを読むということ
07. 需給が教えてくれるもの ーネットで計るー
08. 投機筋にできること
09. 価格変動の本質
10. ポジションの量と保有期間とが方向を決める
11. 価格変動の本質を見ない価格維持政策
12. 相場はギャンブルではない


第二章、自己の資金の性質とそのリスクを理解する

13. 自分の間合いで戦う
14. 自己のポジションを診断する
15. ディーリング
16. 商品の流動性
17. 流動性で躓いた人たち
18. 流動性の落とし穴
19. 50%の確率でしかないのか
20. 「見越し売買、堅く戒む」という教え
21. 相場に聞くということ
22. 相場の節目を見過ごすな
23. 大底を浚う
24. 窓埋めの神秘
25. 荒れ相場のリスク
26. 敵を知り、己を知る
27. アンテナを高く
28. ゼロというポジション
29. スクウェアというポジションはない
30. Fair Value のくずれを狙う
31. 要は踏み込むこと
32. 三つのリスクを理解する
33. アウトライトとアービトラージ
34. 流れにつく ートレンドをおさえるー
35. 踏みと投げ
36. 危険な空売り
37. 高値売ろう安値買おうは損の元とは言われても
38. Always long on the top


第三章、機先を制す

39. シナリオをたてたら、機先を制す
40. 市場心理を利用する
41. ポジショントークはこう聞く
42. 総ロングになってSo Long ーBuy Buy で Bye Byeー
43. Buy the rumor, sell the news
44. 相場の基本は日計りから
45. 指し値は是か否か
46. 飛び込み ー今日の高値は明日の安値ー
47. 高値波乱は受けてみる
48. 値ごろ感に要注意
49. 値ごろより日柄
50. レベルにきた時がタイミング
51. 動く時、動かぬ時
52. デュレーション
53. タイムホライズン
54. 自分のタイムスパンに合わせる
55. 順張りか逆張りか
56. 押し目買い、戻り売り
57. 買いたい弱気
58. 回転を利かす
59. 買い乗せは二回まで
60. オープンインタレスト
61. レンジ相場 ー効果的な「量のディーリング」ー
62. バイライト
63. 割高を売って割安を買う


第四章、見切りと再起

64. 落ちがないと決まらない ーバブルは必ず崩壊するー
65. 今回だけは特別か ー起死回生を狙うなー
66. 自らを針の筵に追い込んだ人たち
67. 損切りの徹底
68. 利食い千人力 ー簡単に利食うな、確実に利食えー
69. 価格上昇期待の魅力
70. もう一歩踏み込めるか
71. 修羅場に慣れる
72. Given、Taken
73. 構造的に動かされる
74. なんぴん買いの効用
75. 躊躇するものは負ける
76. 見切りと再起
77. 理論と実践の隙間
78. 動きながら考えろ
79. 構えありて構えなし
80. 三勝七敗のディーリング
81. ヘッジの考え方
82. 時間との戦い
83. ゼロサムゲーム
84. 安易な選択 ー恐いディールしか儲からないー
85. 負けることを恐れていたら、戦う気持ちが失せてしまう
86. リスクとリターン
87. 待つのも仕事
88. しのぎ方


第五章、相場というビジネス

89. 守りの一銭、攻めの一銭
90. 投機とマーケットメイキング
91. 場代について考える
92. Bid-Ask を取るー1ー
93. Bid-Ask を取るー2ー
94. Bid-Ask を取るー3ー
95. ビジネスとしてのディーリングルーム
96. リスク管理
97. 相場における自己責任
98. My word is my bond
99. 得意なものと、好きなもの
100.アースとでも名付ける通貨

いかがでしょうか・・・

取引手法を探る。

2人の著者のリスクと利益の考え方が面白い。

生き残りのディーリング 矢口新
マネーの公理 マックスギュンター 

 

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